えぇと、サッチングについて、一般の方には余り馴染みもないでしょうから、ちょっと補足してみましょ。と云うことで・・・・・・
――――――――だったら、【野張より】あっちでやればいいのにねぇ。本当にひねくれていること(笑






まず『サッチ』と云うものについてごくごく簡単に説明しますが、『サッチ』とは、
『ターフを形成した芝地で地際に堆積した未分解の刈り屑や、葉の残渣が堆積したり、地表上層で芝草の根の残渣や遺体が堆積して、まだ生きている茎葉や根と混じり合いって、層となったもの』
と云う認識の仕方で、おおよそ正鵠は得ているかと思います。


で、まぁ、そこそこの量であればクッションや保水の役割もしてくれますが、多くなるとろく、、なことがありません。
根が浅くなったり、水はけが悪くなったり、病気に罹りやすくなったり、害虫のすみかになったり・・・・・・
そのあたりをそれ以上に詳しく知りたかったら、どちらかの芝生のサイトへどうぞ。
――――――――本当に無責任ですねぇ(まるで他人事ひとごと


で――――――――
サッチングという仕事については、その多くなりすぎると邪魔者になってしまう『サッチ』を物理的にコントロールしてやろう、と云う作業です。
『サッチのコントロール』については、『サッチ分解剤』なんて銘打った微生物資材も最近は非常に多くの種類が開発・販売されていますが、結局は、物理的に掻き出してやるような作業が一番効果的であるような気がしています。
sibakuroも昔はその手、、、の資材が非常に好きでしたから、あれこれ、、、、と買い込んでは撒布して悦に入っていましたがねぇ・・・・・・
最近は余り食指が伸びませんですねぇ・・・・・・
第一、もう、お金がぇ・・・・・・(泣笑






さて、物理的に掻き出すについても、ターフを、コアと云われるタバコ状に抜き取る、いわゆるコアリングという作業でこれを行ったりもしますし、手裏剣状の刃を回転させて、本当に掻き出す、、、、作業をしたり、まぁ、色々ですね。
最終的には管理者の好みによるのかと思います。


で、今回の作業で使用した機械が、これ。





【グリーンモア*1のリール刃*2を手裏剣状の刃を縦に並べた『サッチングリール』に交換したもの】


これでまずはサッチを掻き出します。
といっても――――――――
今回は、どちらかというと冬の間に寝てしまった葉や茎の矯正の意味合いの方が強いですから、気分的には、〔ハードグルーミング〕とか、〔ヘビィグルーミング〕*3と云ったところです。
まぁ、そのあたりは、もう言葉遊びですからその位にしますが、作業風景はこんな感じですね。





【結構きつめに、作業跡がつきます】






で、そのあとを掃除せねば・・・・・・
と云うことで、





【グリーンモアのリール刃をブラシのユニットに交換したもの】


こんな改造機でもって、こんな感じでサッチングのラインに少し角度をつけて、サッチングの時に回収しきれないで芝の上に散らかった芝の滓を掻き取ります。
ついでに、この作業で寝ている葉をもう一回起こせます。
そのあとで、機械のドラムが踏んでいるから一緒のような気もしますが、実際はこれをやるかやらないかで、この後の刈り込みで刈り取られる芝の量がかなり変わってきますので、この作業、省くことが出来ません。






で、さらにそのあと、さらに角度を変えて刈り込みます。
この時に使うのが、まぁ、普通のグリーンモアですが、こんな感じ。





【リール刃の手前についているサッチングリールよりも小振りで間隔の狭い手裏剣状の刃がグルーミングリール】


で、こんな具合に、グルーミングリールを廻しながら刈り込んで仕上げをします。
これも、寝ている刃を掻いて立たせてくれる装置ですね。
このグルーミングリールも、某社の最新型でのグリーンモアでは、進行方向に対してタイヤが転がるように素直に回転する『正転』と、逆回転する『逆転』とが出来るようになりました。
でも、今回使用したのはご覧の通り古い機械ですから、『正転』しかできません(笑





【「おおっ、トリプルカットかぁ」なんてお客さんもいらっしゃいましたが(笑】






まぁ、今回は、寝ている葉や倒れた茎を掻き取っての矯正ですから、





【施工前 施工後】
          


みたいな感じです。
施工後の方が、葉が立っているのがお判りいただけますでしょうか。
――――――――しかし、芽数は少ないわ、葉の幅は広いわ何とも恥ずかしい芝だ(泣
まぁ、時期的にも新芽のどんどん出てくる時期になりつつありますので、植物の傷痍誘導とか、傷痍反応とか云われる作用で、少しでも芽数が増えてくることを祈っております。









*1:パッティンググリーン用の芝刈り機

*2:回転刃

*3:どちらもsibakuroの造語